父が残してくれたもの
2015/02/13 Fri. 20:51 | 写真レンズ |
18年くらい前のこと、ある日突然父から「カメラ買ってきてくれ!」といって現金を渡された。オートフォーカスで連写もできるカメラという希望だったがほとんど市販されている一眼レフはその条件を満たしていた。そんななかでオートフォーカスを重視するのであれば当時はやっぱりその先進性という点でキヤノン以外考えられなかったから迷わずEOSを勧めた。そして購入したカメラがEOS55。レンズは標準的なズームレンズEF28~105mm f3.5~4.5という代物。
それを手に自分が教える社交ダンス教室で生徒さんの踊る姿を撮影したりしていたが、凝り性の父は写真上達のための参考書なども読み風景や花のクローズアップにも挑戦して楽しんでいたようだ。交換レンズも買いそろえ充実させていたが、その内容を見て驚いた。赤いラインの入ったLレンズを3本も持っていたのだ。ニコン使いだった私でさえこれらのレンズには興味あったからカメラごと借りて鉄道写真に使ってみたい衝動にかられたものである。
時代は銀塩からデジタルへ移行して私もD300をやっと手に入れ、ますます写真の楽しさにのめり込んでいった。そんなある時ふらっと父が現れ「もう使わないからこれ全部置いていく。売るなりなんなりしてお前の好きなようにしろ・・」とカメラ、レンズ一式持ってやってきた。目の衰えから写真を撮るのが億劫になった・・・というのが理由だった。ほんの4年ほど前の話。なんとなくこの時の弱々しい父の姿が気になった。
かくしてキヤノンと私との付き合いが始まったわけだが・・・7Dを購入して父に使わせてみた。いつでも使っていいからといって7Dとレンズ一式を再び父のもとに置いてきた。父は毎日の散歩に持ち出して撮影してはみたが結局こんどはPC操作が煩わしいようだった。そのうち「やっぱりお前が使えよ、いるときはこっちから借りに行くから」と言ってそれ以後二度と写真を撮ることはなかった。

父が愛用したレンズ EF24-70mmf2.8L EF16-35mmf2.8L EF70-200mmf2.8L ×2エクステンダー 他にマクロEF100mmf2.8
昨年末、父が逝った。病床に伏していたわけでもなくそれなりに元気だったのに・・・突然だった。以後慌ただしい一か月が過ぎ先日ようよう四十九日の法要を終えることができた。その間にも少しだけ時間を作って写真撮影に出かけた。ついに一度も一緒に撮影することのなかった父を今こそ二人で楽しもうと・・・・父が残してくれたレンズ使う・・ということはそういうことなんだと自分に言い聞かせて・・・。
父のレンズを使う・・・
父と一緒に撮るということ・・・

10日の撮影から・・
EF70-200mmf2.8Lで撮影した画像です。
厳しい寒波は釜戸付近も白くなるほど雪を降らせました。撮影時も粉雪が舞い冷たい風にさらされましたが東濃に降る雪はあっという間に消えてなくなるのが常です。
そういえば・・・
「人生なんてなぁ・・・あっという間やぞ・・」
そんなことを父はよく言っていましたがいつしか自分も歳を重ね、この時の父の言葉をなんとなく実感している最近の私です(笑)。
父の形見となったレンズ・・・今まで以上に大切に使っていこうと思っています。
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